サイズが大きいファイルの受け渡し、どうしてますか? ZIPにまとめてメール添付できるファイルサイズであればともかく、5MBを超えるあたりから相手の迷惑も考えなければなりません。今回は、量が嵩張るファイルの受け渡しに便利なUSBメモリを対象に、ストレージのフォーマット方法を紹介します。

USBメモリに適したフォーマット形式

パソコン間でデータの受け渡しを行う方法はいくつもあります。メールに添付して送信する、オンラインストレージにアップロードしてURLを伝える、物理メディアにコピーし手渡しする……データの重要度や急ぎ具合など状況によって判断も変わりますが、受け渡しするデータの容量が大きい場合は物理メディアが有利です。

物理メディアを選択する場合、最初に候補として挙がるのは「USBメモリ」でしょう。8~16GBという大容量のものが1,000円前後で購入でき、約束事に注意さえすればMacだろうがWindowsだろうが読み書きできます。

その約束事とは、「フォーマット形式」です。MacであればAPFSかHFS Plus、WindowsであればNTFSで内蔵ストレージがフォーマット(初期化)されているはずで、USBメモリも同じ形式でフォーマットすることは可能ですが、現実的な選択とはいえません。

なぜなら、パソコン(OS)によって対応するフォーマット形式が異なるからです。macOSの場合、NTFSの読み取りは可能ですが書き込みはできません。Windowsの場合、APFSとHFS Plusは読み書きいずれも非対応です。サードパーティー製ソフトを導入すればその限りではありませんが、費用と手間を受け渡し相手に強いることになり現実的ではありません。

データの受け渡しを目的とするストレージは、どのOSでも確実に読み書きできるフォーマット形式を選択すべきです。それが「FAT32」、パソコン創世記に利用されたMS-DOSというOSのフォーマット形式「FAT」の機能拡張版です。APFSやNTFSと比較すると機能的に劣る点はありますが、1つの領域(パーティション)として確保できる容量は最大2TB(テラバイト/1TB=1,000GB)、最大4GBのファイルを保存できます。解像度が4Kの動画ファイルのように、4GBを越えてしまいがちなファイルは苦手ですが、MacでもWindowsでもほとんどの書類を読み書きできます。

USBメモリをフォーマットする前に

市販のUSBメモリはフォーマット済の状態で販売されているため、難しいことを考えなくても他のパソコンとデータを受け渡しできます。しかし、使用済のものを使い回すとなると、面倒に巻き込まれることも……ここでは、USBメモリなどのモバイルストレージをフォーマットする前の注意点を紹介します。

  • フォーマットするとすべて消える

Macに限らず、パソコンでフォーマットといえば「初期化」です。ルールに従いデータを記録できるよう道筋をつけるための処理で、そのとき対象領域は"まっさらな状態"、つまり内容がすべて消去されます。いちど消去されたデータ(ファイル)は復元困難ですから、作業を開始する前に中身を確認しておきましょう。

  • 「ディスクユーティリティ」で初期化する

MacでUSBメモリをフォーマットするときには、ユーティリティフォルダに収録されている「ディスクユーティリティ」を利用します。このアプリを起動し、初期化したいUSBメモリを選択して「消去」ボタンをクリック、フォーマット形式を選択したうえで「消去」ボタンをクリックすればOKです。操作は取り消しできないため、細心の注意を払いましょう。

  • 「MS-DOS(FAT)」と「exFAT」のどちらを選ぶか

MacとWindowsの両方で確実に読み書きできるファイルシステムは、「FAT32」(旧規格のFATを含みます)と「exFAT」の2種類です。ただし、FAT32は原則として32GB以下のストレージが対象とされ、Windows 2000以降は32GB以上をFAT32でフォーマットできない仕様です。つまり、USBメモリのサイズが32GB以下の場合は「MS-DOS(FAT)」を、32GB以上の場合は「exFAT」を選ぶのが想定されています。

ただし、Macでディスクユーティリティを使えば、32GB超のUSBメモリもFAT32で初期化できます。Windowsでも変わらず読み書きできるので、exFATを読み書きできない旧式のパソコンがある場合はこの方法を使うといいでしょう。

  • もし「パーティション有り」のUSBメモリに遭遇したら

ハードディスクやSSDとは異なり、USBメモリやSDカードにパーティション(ストレージ上の論理領域)を設けることは通常ありません。しかし、複数のパーティションが設けられたストレージをディスクユーティリティで表示すると、macOSがサポートしないパーティションは表示されず、結果としてUSBメモリ全体を消去できなくなります。

パーティションがあるUSBメモリを初期化する場合には、ディスクユーティリティ左上の「表示」ボタンをクリックし、「すべてのデバイスを表示」を選択します。すると、それまで表示されていたボリュームの上位にストレージ全体を表すアイコンが現れ、ストレージ全体を選択できるようになります。